今更感のすごい『好きよ、純情反抗期』の感想
今更かよ、っていうのは百も承知なんですが最近『好きよ、純情反抗期』が好きだなぁと思うに至りました
この曲が出た当時はたぶん高校生くらいだったと思うんですけど、その時は全く興味がなかったです
恋愛もクソも、当時の私はそもそもそういうこと自体がタブーだと思っていた節があったし、周囲の風潮もそんな感じだったので、何回歌詞を読んでも「わからん」と思考停止してたんじゃないかな わからんけど
でもこの曲の主人公も恐らく(私の個人的な解釈だと思うけど)「恋愛=タブー」な環境にいるんじゃないかと
じゃないとそこらじゅうの人間がやりまくっている恋愛なんてものに反抗心を宿さないと思うんです 大人になったら急に手のひら返して恋愛推進されるしね なんやねん
真夜中に抜け出してみたり、背伸びしてみたりと恋愛感情に左右されまくってる中高生は周りの大人からみたらさぞ心配の種だろう、と今の歳になってやっとわかるけど、これくらいの歳の時って大人が先回りしてしてくる心配とか助言とかが死ぬほど鬱陶しく感じられたりしますよね
個人差はあるだろうけど
自分も一生懸命に現状を鑑みて真剣に判断してるのに、自分の考えよりもさらに先を見据えて考えることが出来る周りの大人との違いを目の当たりにすると、どこかバカにでもされたような、なめられたような気にもなってついつい、「もう子どもじゃない!」とか「私の勝手でしょ!」とかテンプレ文句を言い返してしまう…うーん典型的な反抗期って感じ
大人からしたら「受験」というある意味人生を左右する問題を蔑ろにしてまで、特に結婚するわけでも一生添い遂げるわけでもない相手との「恋愛」に振り回されるなんて愚かにうつるけれど、この時この瞬間その子にとって恋愛は受験に匹敵する(むしろ勝る)問題なんだろうな、とこの曲を聴いてるといつも感じます
歌詞のあらゆるところに散りばめられている反抗心が、この主人公の必死さを表してるなぁと
歌詞の中で1番好きなフレーズが
「お母さんだって 夢中で誰か愛した事あるでしょう」
なんです
このフレーズの1番のポイントが
お母さんが夢中で愛したことがあるのが「お父さん」じゃないところだと思います
お母さんだって 夢中でお父さん愛した事あるでしょう
いや〜〜ダセェ
レジェンド級にダサい
そもそもお母さんが愛したことがある人がお父さんだけなんてほぼほぼあるわけないじゃないですか 何年生きてると思ってるねん
すでにこの歌詞に"誰か"が書かれているから、「いやいや誰がお父さんって書くねん」と思うと思うけど、たぶんほとんどの人間に書かせたら書くって絶対
大抵の子どもからしたらお母さんが夢中で愛したことがあるのはお父さんだけであってほしいし、基本的に子どもはお母さんの「オンナ」の部分なんて見たくないと思いますし、お母さん側も見せたくないでしょう
でもお母さんって生まれながらにお母さんじゃなくて、何年も前から目の前の娘と同じプロセスを辿って巡り巡って今ちょうど お母さん っていう存在になってるだけなんですよね
そのことをちゃんと理解してるからこそ、「夢中で"誰か"愛したことあるでしょう」っていう歌詞が書けるんじゃないかと勝手ながら感じます
そして子ども側からお母さんに「(お父さん以外の)誰か愛したことあるでしょう」と言わせることで、先述したお母さん側が子どもに隠している「オンナ」の面を子ども側が暴いている構造にしたところもすごい
隠していた側面を子どもに「知ってるぞ」とでも言わんばかりに言われてしまったらどうやったってお母さん側は怯みますよね
子どもってなぜか相手が言ってほしくないことを直感的にわかっちゃうし言っちゃう
でもたぶん怯んだお母さんを見て、自分の売り言葉なのに「あぁやっぱりお父さんだけじゃないんだ」と言ったことを少し後悔しちゃったりするんじゃないかな……まぁこれは完全に私の妄想だけど
自分が歌詞の主人公と同年代の時になんとも思わなかった歌詞を時が経ってから「いいなぁ」と感じられるのは贅沢なことだなぁ
ハロオタやってると当たり前にありすぎて忘れちゃうけど