アイドル楽曲考察「大阪のどこらへん!?」
先日より、ハロー!プロジェクト楽曲にまつわるエッセイを集めた同人誌『いちいち言わないだけだよ。』を頒布しています。(詳しくはこちら)
制作期間中毎週のように会議を重ね、あらゆるハロプロ楽曲について考えまくっていたのですが……
その中で、松浦亜弥の楽曲『ふたり大阪』に出てくる、
〈あなたがわたしの大阪やった〉
の〈大阪〉って…具体的にどこなん?という疑問が生じたのでありました。
他県にお住まいの人からすれば、大阪は大阪だろう、とお思いになるでしょうが、一口に「大阪」といっても様々なエリアがあるわけで。
エリア毎に住んでいる人々の活動傾向や文化、キャラクターは変わってくるわけです。オオサカ・ディビジョンじゃねえんだわ!!
俄然、『ふたり大阪』の元恋人のパーソナリティやバックグラウンドを掘り下げたくなってきました。
さて、このブログや同人誌の対談をお読みの方はお気づきかと思いますが、サークルメンバーは全員が関西出身。
我々の土地勘と経験則をかき集めれば、アイドル曲の歌詞に出てくる概念的な『大阪』は具体的に「どこ」か特定できるのでは!?
早速、「大阪のどこらへん!?」考察のしがいがある歌詞を含む曲を囲んで討論する運びとなりました。
ここで出場選手6名を、各々の大阪及び関西の電車の思い出と共に紹介します。
いなだ易:南海線から見る通天閣に安心するネ
pirarucu:やっぱり阪急阪神ホールディングスがナンバーワン!
たぬき:なんで地下鉄谷町線って主要駅での乗り換えが常に不便なんですか?
なつめ:御堂筋線に乗ってはや25年。梅田からなんばまでは私の庭♡
浜場:つんく♂と同郷です。乗り換えといえば本町駅ですよね?
ましゅまる:阪急電鉄激単推し、茶屋町しか勝たん♡乗り換えは二回までが限度
それでは討論開始です!
~ラウンド1~
『大阪恋の歌/モーニング娘。』
2005年4月27日発売 作詞・作曲:つんく
p:まずは『大阪恋の歌』。大阪の恋が遠距離になって終わる歌やね。
た:悲しいね~。
ま:絶対これつんくの実体験やろ、っていつかのカラオケで言ってたよね。
浜:つんくが東京進出したときの歌。
な:とりあえず、男の恋人が遠くへ行って、主人公が大阪に残留ってことやんな?
p:曲中あんまり地名は出てこないけど。
易:唯一出てくるのが〈まったり歩いた山〉な。どこやと思う?
p:どう考えてもこれは六甲山やろ。大阪じゃないけど、デートスポットの定番やし。
浜:それは兵庫の人間の驕りや、東大阪(つんくの出身地)の人間は東にしか行かんから生駒さんか春日大社しか山は無い。
た:大阪の山と言えば生駒か二上山やろ!
ま:箕面しかない!〈まったり〉歩いた先は絶対滝!
な:私は六甲山派!デートでアウトドアと言えば六甲山になるはず!!整備もされてるし、〈まったり〉といえば六甲山の展望台の辺りやろ。
た:いや、どこのハイキングコースもある程度整備はされてるし、ロープウェイで紅葉見たりできるやん。生駒も二上山も遠足の定番やし、大阪で育ったら絶対選択肢に挙がる。
浜:生駒山でおばあちゃんたちと混ざって〈まったり〉したんやろ、わんにゃんケーブルカー乗って生駒山上遊園地でいちゃついた後に。
ま:大阪の男と兵庫の女が石橋(阪大前)駅で集合するんやって。ほんで阪急箕面線に乗るねん。
p:収集がつかない…。
浜:大阪は三方山やからね、小学校の社会の授業で最初に習う。
易:金剛山や高野山も良い山ですね。ハイキングにぴったりの山がたくさんある。好きな山が多くて決められない。
p:とりあえず六甲山派から話をしようか。
な:六甲山はとにかくデートスポットやねん。山の上の方までロープウェイで登れるし、がっつり登山靴じゃなくても頂上まで行ける!しかも、山頂に牧場とか植物園とかが固まってあるからハイキングしなくても山の雰囲気が楽しめるねん。何がってお洒落やろ?雰囲気が!〈まったり〉歩けるやん。
p:確かに六甲山の上、登山客とは思えへん格好の子多いよね。六甲ミーツ・アートとかの企画もあるしのんびり歩いて回るところってイメージ。
た:いや、その論理で行くとさ、pirarucuさんは数年前生駒山一緒に登ったときにインソールスニーカーで来たやん。登山とは思えん恰好して山上遊園地で遊んだやないか。
浜:生駒さんも生駒駅から直で生駒ケーブル乗って山頂まで行けま~す!箕面にはない。
p:箕面派はどう?
ま:1人しか箕面ディビジョンおらんくて分が悪い…そしてロープウェイもない…。
た:勝手にディビジョン増やすな!私が箕面行くことないから全然ピンとこん。
易:猿がいるイメージしかない。
ま:箕面にロープウェイはないけど、傾斜は緩いからスニーカーで歩けるよ。あと温泉もあります。
浜:それはわかるけどデートではないんよな、祖父母と紅葉狩りに行くとこ。
ま:確かにうちもおばあちゃんがよくもみじの天ぷら買ってきてたなぁ…。あ、もみじの天ぷらがのってるソフトクリームとか美味しいよ!あと箕面ビール美味い!
浜:箕面ビールそんな頃から有名やった?当時は昆虫館のイメージが強かったと思う。
易:箕面昆虫館、夏休みになるとあらゆるカブトムシを見られる最高の施設だが。
た:この曲出たの2005年やん。令和の話すんなや!その当時のことを検証してんねや!!!
ま:エーーーーン!!!!!!!
た:なんか生駒派が恫喝してるみたいやん…六甲山派はなんかないんですか。
な:え〜生駒派過激〜〜六甲山派はそんなことしないもん〜
浜:喧嘩しに来たんちゃうんか!!!
た:なめとんちゃうぞ!!!!
p:決着つかなそうなので次行きます。
~ラウンド2~
『ふたり大阪/松浦亜弥』
2011年12月21日発売 作詞:2℃ 作曲:土肥真生
p:次は『ふたり大阪』。この企画をやろうと思ったきっかけの曲です。
易:播州弁(主に兵庫県西部で使用されている方言)を喋る主人公が、大阪出身の元恋人を思い出す歌やね。
p:あややが姫路出身やから主人公が播州弁なんだろうな~とは思う。問題はどこで大阪の恋人と知り合ったかよね。
た:姫路から出てきて、進学か就職で大阪に住み始めたんやろな。
p:流石に通いはちょっときつい距離かな。
浜:実家の締め付けがきついと通いもありうる。恋人と同棲する形で出てきたのかも。
p:一人目の恋人、結局大阪のどこらへん出身やと思う?
〜ここから路線図を見ながらお楽しみください〜
な:とりあえずこの元恋人って、所謂「大阪」っぽいイメージの人やんな。播州弁のことからかったりしてるし、大阪のミナミの方の中心辺りの出身やと思うねんけどな…。
浜:堀江(西大橋駅近辺)とか船場(本町駅近辺)に行ってるところを見ると四ツ橋線・御堂筋線かな、私は大国町駅を推す。
な:そうやねん。その人のよく知ってるエリアでデートしてたんかなって。
浜:勝手なことを言わせてもらうと、〈飾らへんカッコも 気取らへん笑顔も〉するのは八尾のイメージかな〜。
た:八尾の人間は河内音頭にやたらプライドを持っている。
ま:行動範囲が狭すぎて地理が全くわからん……。話に入っていけない……。
p:一方で、〈あたらしい人〉は〈スマート〉で〈流行りの男〉だという。
易:2011年、塩顔ブームだったらしい。
た:北摂の方やな。阪急沿線に住んどる。
な:分かる。とりあえず大阪のキタエリア以北やな。淀屋橋辺りのサラリーマンっていうのもあり得る。シュッとしてるやん。
浜:流行りやな~。
な:センスの良いネクタイ着けて、細身のスーツ着とる。そら、〈たこ焼き機も贈らん〉し、〈ソース味のキス〉もしないやろ。
た:ヒエ~~!スリーピーススーツ着てそう!
浜:たこ焼き好きじゃないんだよね…とか言う。
ま:偏見がすごい!!!
p:もはやたまたま大阪に来てる東京の人なのでは?
易:近畿圏外の人やから播州弁と大阪弁の区別さえつかないという可能性もある。
た:あ~そしたら一度は東京に憧れたけど、心からは好きになれんかったみたいなストーリーとも読めるかな。
な:まぁ結局、大阪の泥臭い感じが恋しいみたいな曲やもんな。
~ラウンド3~
『大阪ロマネスク/関ジャニ♾』
2006年6月7日発売 作詞:相田毅 作曲:谷本新
p:なんで急にジャニーズ!?
ま:だいぶ前になつめちゃんと『Johnny's World Happy LIVE with YOU』を見たんだよ。
な:それで関ジャニ∞のパフォーマンス見て、大阪ロマネスクを聴いたんやけど、歌詞オモロくない?ってなったんよな。
ま:そうそう。これ皆で具体的な場所考えたら面白くない!?ってなった。
な:なので持ち込み企画を立ててみました。
p:〈恋をするなら御堂筋から始まるのさ 雅なる物語〉ってしょっぱなから地名が。
な:てか、そもそも御堂筋って雅なん!???
浜:銀杏のにおいは雅やからな。
た:毎年臭すぎて文句言うとるやろ!
た:〈遥か 遥か 西の街〉って歌詞なに?そんな西の果ての人間の自認持って関西で暮らしてへんやん。
浜:大阪が日本の中心ですけど……地図見てみ……。
p:怖い。
p:ほんで〈かけだした君の背中が 消えた梅田駅〉やしな。
ま:私絶対この〈君〉って阪急沿線出身やと思うんですよ。
浜:阪急梅田駅の3階の改札口前で話してて、走って電車乗られて人混みにまぎれちゃうイメージ。
易:BIGMAN*1のところかと思ってたわ。2階まで爆速で階段駆け上がったんかと。
た:私は3階の改札やと思ってたけど、新梅田食堂街のマクドでだべっててエスカレーター駆け上がったんかな~て。
浜:何階分駆け上がらすねん。
p:勝手に阪神梅田やと思ってたわ。
な:阪神の改札行く階段は下りやから。背中見えへんのよな。吸い込まれていく君の背中、になってまう。
p:まず〈この街の言葉 乱暴と言ったね〉ってあるから〈君〉は大阪の人じゃないんよな。
易:そんなん言うん、どうせ阪急ユーザーやん。
浜:はたして神戸線か京都線か。宝塚線ではなさそう。
p:〈恋をするため 心斎橋には人が来る〉とありますが。
浜:ひっかけ橋(戎橋)*2のことか?!
た:歌詞にも出てくるしな。ナンパの話なんか?
な:ナンパは最悪!!にしても、恋をするため、ってどういう事なんやろな。
易:最近あの辺はナンパと言うより悪質なキャッチのイメージがある。
ま:ひっかけ橋って言われても分からんかったけどグリコ看板のあるとこね!
p:神戸の人間からしたら心斎橋は服を買いに行くところなんよね。
た:なんで?三宮で買ったらええやん。
p:三宮にはないブランドが心斎橋にはある、みたいなことがあるんだよ…。
浜:古着にかけては関西イチでしょ。
p:服を買うため 心斎橋には人が来る
な:てことは、主人公も恋人に心斎橋で服を買ってあげてたんやろうな。
浜:おしゃれカップルがアメ村の古着屋巡って互いの服選んであげてたんかもしれんやん?
易:絶対大丸のキラキラした服やろ。
p:2010年ぐらいの心斎橋大丸のうふふガールズが良かったんよ。
※心斎橋店のリニューアルに伴い閉店しています。
取り扱いブランド一覧 | ufufu girls うふふガールズ 梅田店
な:私はOPAが好きやった。心斎橋のOPAって大阪の中では、凄い綺麗なお姉さんの服が買えるっていうイメージやったよな。そう考えれば心斎橋で服買うのってウキウキするイメージ。
p:ていうか〈難波の庭園 好きだったね〉って、難波に庭園とかあったっけ?
易・た・な:なんばパークスやんけ!!!!!
浜:Google翻訳したんか?
易:パークスのこと「庭園」って呼んでるカップル、笑いのセンスがありすぎる。
た:確かに緑はいっぱいあるけど買い物したり映画観たりしに行くとこ、商業施設よな。
な:ちなみにですが、難波の予備校通ってた身から言わせてもらうと、お金のない浪人生はパークスの公園で溜まりがちやで。公園として機能している。
p:そのあと〈二人ではしゃいだ 観覧車から 神戸まで見えたあの日が 続くと信じてた〉って言ってるから〈君〉は阪急神戸線ユーザーで間違いない!!!
易:大阪まで来ても抑えきれない神戸愛。
浜:夙川より西から来てる。
p:神戸の人間、三度の飯より神戸の夜景が好きだから。
な:どこの観覧車かが問題よな。どこやと思う?
ま:梅田から近いとこで言うと、やっぱりHEPかなぁ?一応公式が明石海峡大橋まで見えると謳っている。
浜:ガラスが汚いので全てがぼんやりして見えるが……。
た:神戸まで見えるとなるとそこそこでかくないとやから、天保山の大観覧車かな。
易:海遊館とのセット券で乗ってるやろ。
ま:あそこは確かにはしゃいじゃう。ユニバも見えるし!
浜:でも天保山行くとなると本町駅で乗り換えなあかんからなあ。
な:御堂筋沿い縛りだとすると宗右衛門町のドンキの観覧車もアリやけど、あの観覧車めっちゃ低い。
た:ビルしか見えんよな。
ま:でも今観覧車乗りながらVR見れるらしいで。
p:あの観覧車動いてたんや。
さて、先述の同人誌ではハロプロ楽曲を人生の一シーンという切り口から取上げたのですが、アイドル楽曲は地域色豊かな側面もあり楽しいですね。
今は関西を離れて各地に散らばっている我々ですが、やはり生まれ育った街についての話は盛り上がります。
同人誌の編集作業も終了したので、定期的にオタク会議ができればなと思っています!