オタクプレゼン大会のススメ⑤「なぜアシュラマンは正義超人になれなかったか-『キン肉マンII世』における父性の問題-」
オタクのプレゼン合戦第五弾。
開催概要はこちら。
⑤「なぜアシュラマンは正義超人になれなかったか-『キン肉マンII世』における父性の問題-」
★発表者紹介★
お笑いとか洋画とか好きな人だと思っていたが、気づいたらキン肉マンの話しかしなくなってしまった。(Twitter:@hxmxbx)
タイトル提出の時点から異彩を放っていたプレゼン。
『キン肉マン』を読んだことがある人もない人も、父権社会をどう生きるかについてアシュラマンと一緒に考えてみましょう。
「まあタイトルの通りですね。なぜアシュラマンは…」
(一同爆笑)
「わからん!!!!!!」
「最初から分からん!!!!」「一旦笑わせて」
「『キン肉マン』読んでない?」
「読んでへん」
「えっあんま説明せーへんわ、ごめん」
「嘘やろ?!アシュラマン誰だよ」
「予習が必要なら言っといてよ!!!!!!」
「顔が三つある人か!」「阿修羅像」
「見たことあるわ、ツイッターの残像で」
「彼は悪魔超人として登場して、正義超人に変わったけど、結局悪魔に戻るキャラクターです。なぜ彼がそういうことになってしまったのかを『キン肉マン』の物語構造から考えてみよう、というプレゼンです。」
こんなこと言ってましたが、プレゼン後はみんなアシュラマンのことが大好きになりました。
「『キン肉マン』の連載は1979年から87年まで続き、最近また再開しています。」
「とりあえず①悪いやつが来て、②キン肉マンたち正義超人が応戦し、③悪いやつ(の一部)が改心して正義に傾く、その流れで描かれる正義超人や悪魔超人だったキャラクターとの「友情」がアツいよねということで有名になった漫画です。」
「その後、次の悪いやつと戦うのではなく、④悪い考えを吹き込んでいたラスボスがやってくるんですね。⑤そいつを倒すことで悪い超人を救うのです。」
「ラスボスって言い方は好きじゃないし、(80年代の段階ですでに)古くさい考え方を押しつける、こういったキャラクター像は、父権社会の”父”と呼ぶべきでしょう。時代性としては、『巨人の星』『あしたのジョー』みたいな、”父”に従って主人公が勝つというストーリーから抜け出す意味合いもあったかと思います。」
「”父”を倒して、古い価値観から友を救おうという物語を繰り返しながら、話が進んでいくんです。」
※スライド上のカラー立ち絵は【公式】『キン肉マンマッスルショット』最速攻略wikiから引用しています。
「”父”の役割の例として、まず最初のキャラがロビンマスク。」
「オリンピックチャンピオンとして登場して、地位も権威もあるイギリスの貴族という模範的人物なのに、当時ほんまにダメダメやったキン肉マンに2回も倒される。っていう話で、”父”に従わない主人公像を打ち出したんですね。」
「その後、ロビンマスクは優しい心を持つウォーズマンに人殺しを強要します。」
「これは昔ながらの「他人を傷つけることが強さである」という考え方の押しつけだと言えますが、そういった”男らしさ”からキン肉マンがウォーズマンを救うという物語の形を形成しました。」
「全然知らん人出てきちゃった」
「”弱い者に生きる価値はない”という主張のネプチューンキングが来ます。」
「あーーー……」
「ただその正体は実はミイラです、みたいな。」
「へーーー」
「象徴としてわかりやすいですよね。テリーマンも説明してくれてる。」
(一同爆笑)
「鋼鉄のスーツに身をつつみ いっけん完璧さを装ってはいるが 中身は虚栄と私欲に満ちたミイラにすぎない……」
「わかりやすい」「説明マン」
「”弱い者に生きる価値はない”というのは古い価値観にすぎないし、そういった主張をすること自体、自分を虚飾しているだけという。”父”に対する批判がしっかり入っているなと思う。」
「ではここで、アシュラマンにとっての”父”は誰か?」
「それは悪魔将軍です。『キン肉マン』で一番ワルらしいワルなキャラクターで、たくさんの悪魔超人を従えている。」
「組織は完全にトップダウンで、悪魔将軍の下に幹部である悪魔六騎士がいて、その他という感じ。アシュラマンは悪魔六騎士の一人なんです。」
「悪魔将軍は彼自身が優れているから、あとは下の者がすべてやってくれると考えているタイプ。彼は頭だけの超人で、中身は空洞なんです。このカッコイイ鎧は悪魔六騎士の集合体みたいなやつ。」
「これもわかりやすい社会の歯車論ですよね。俺がトップだからお前らはただ従えよって話。キン肉マンが将軍を倒したことで悪魔六騎士たちも無力化されて……?というところで将軍編は終わりです。」
「そして次のシリーズが始まります。夢の超人タッグ編!今までいっぱい出てきた超人たちがタッグを組んだら面白いね!っていう」
「このタッグトロフィー見て、何か気付きとかあります?」
「気付き…??」「問いかけられても……」
「答えは何かというと、人間球体説。」
「あ~、ぽい」
「よかった、分かってくれた!人間球体説って高校で倫理の授業とか取ってたら聞いたことあるかな。」
「あっ…た!」「『饗宴』や」
倫理の授業を取ってなくても『ダブルミンツ』を読んだ腐女子は知ってるよ
「もともと人間は二人で一つの球体で、人々はその片割れを求めてさまよっているみたいなロマンチックなお話やねんけど、キン肉マンたちもより良いタッグを見つけようという話になっていきます。」
「まあ当然最終的にはキン肉マンとテリーマンが元鞘に収まる。」
(一同爆笑)
「そらそうや」
「世界中が二人の痴話喧嘩に巻き込まれたなぁ~みたいなシリーズ。」
「それはさておき、どこかへ消えたと思われた悪魔将軍の鎧の一部は、アシュラマンとサンシャインだったんです。」
「あ~~~~~!!」
「俺たちは悪魔将軍に愛想を尽かした、これからタッグトーナメントに出ましょうと」
(爆笑)
「よう作ったな」
「そんなことある?!!クオリティがすげえ」
「もしかしてこれで徹夜してた??」
「これはだいぶ前に作った」
日の目を見て良かった!プレゼン大会最高だな!!!!
「でも二人はすぐに攻撃をかけず、正義超人たちのスキを突こうと考えます。」
「実は、アシュラマンは正義超人たちのチームワークを奪って箱に入れてあった。これさえ奪えば奴らもおしまい、友情が崩れて弱くなるやろ、ってカーカカカ言いながら飛んでいくんです。多分パンドラの箱の逆バージョンなイメージですね。」
「じゃあなぜアシュラマンはそんなに打倒・正義超人にこだわるのか、友情を目の敵にするのか?」
「それは実父の影響です。」
「彼曰く、わたしのような生まれついての悪魔には良心などというものはひとかけらもない。俺は魔界の王子や、エリートなんや!ってことを言いだします。」
「彼の父親はアシュラに対して正義とか友情だとかそんなものはまやかしだと言うし、お母さんも人は愛する者じゃない、憎むものなのよ!と教えてます。」
「それを聞いたアシュラマンもバブバブ」
(一同笑)
「赤ちゃんに向かって言ってたんよ、めっちゃ怖い」
「こわい」
「なんで彼が正義超人を打倒したいか、なんで友情を目の敵にするかというと、父親がそう言ってたから。単純に教え込まれてそう信じているキャラクターなんだってことがどんどんバレていく。」
「あーーー……」
「言ったとおりアシュラマンはキン肉マンの友情を奪ったんだけど、なんやかんやでキン肉マンとテリーマンは失われた友情を取り戻して来ます。そして、それを見たアシュラの相方・サンシャインはちょっとずつおかしくなっていきます。」
「ど…どうしたことだ!これが友情パワーか!って。友情をちらつかせるのはもうやめろ~~~っ!!」
(一同爆笑)
「サンシャイン暴れちゃうの。」
「友情をちらつかせる、って声に出して読みたい日本語すぎる」
「アシュラマンの言うとおり人は憎しみ合うことで成長するけど、信頼も必要かも!って呟いちゃう。それはそう。」
「でも、アシュラマンは古来より魔界では人は憎むものだと決まっているのだ、と返します。あくまでも親の意思を守ろうとする。」
「で、ここからちょっとややこしいねんけど、サンシャインの胸のところはローラーになってるねん。」
(笑)「え?!なんで???」
「それはそういうもんとして受け入れてください。ローラーで圧死させる「呪いのローラー」って技があるんよね。これを正義超人にかけようとしたら、キン肉マンがアシュラマンをワーッて投げたせいで、アシュラマンが巻き込まれちゃって、右腕が三本とももげるというエラい事が起きてしまった。」
「ひ~」「かわいそう~~」
「でもやっぱりこれ強い技で、一発決まったら勝てるから、もう一回やろうと。」
「で、キン肉マンも呪いのローラー破りとしてアシュラマンをまた投げるねん。こいつエグいな。」
(一同笑)
「ここでサンシャインは、おれが今正義超人をローラーにかけたら、アシュラマンも餌食になってしまう……って躊躇します。」
「でもアシュラマンは、悪魔が仲間のことなんて気遣うなと。友を傷つけたくないサンシャインと、そんなことより正義を倒したいアシュラマンを対置して、さあサンシャインの決断は??」
「アシュラマンを抱きとめて、ゆっくりとローラーの回転を止めていくんですね。」
「おお~……」
「で、アシュラマンの意向を裏切ってしまったサンシャインは、すまねえ…って謝るんです。」
「アシュラマンもそれに対して、ばかやろう、悪魔にとって人助けは罪悪だといっていたはずだぞ……と言いながら、泣き出すのです。」
(一同爆笑)
「やめろ!」「ふざけてんのか!」
「♡Happy♡じゃね~よ!」
「笑いと冷血と怒りの三面が全部泣いてるっていう衝撃シーンやで」
「なるほどね?」
「あーーーっとアシュラマンの三面が泣いているーーっ!!」
「こうしてサンシャインはアシュラマンに対して抱いていた何らかの感情、これも友情ちゃうか?!!と気づいたし、アシュラマンもこれは嬉しいことや!と分かった。二人の絆がようやくわかるっていうシーンです。」
「ですが、その直後からすれ違いが起きます。」
「サンシャインは、悪魔超人の中でたった二人生き残ったパートナーを見捨てられないと。二人の友情は大切な宝物、だから正義超人を倒すために二人で戦い続けようという意向になったんですけど。」
「一方のアシュラマンは、これこそ正義超人が流していた涙なんじゃないか?と考えてしまった。正義超人はおかしいこと言うてなかった、もしかして俺は正義超人になった方がええんちゃうかと。」
「あ~そうか~~なんか辛くなってきた~~、、、ちょっともう無理」
(爆笑)
「もう見たくない~~!!!!!!」
「その結果、アシュラマンが雨の中サンシャインを捨てて正義超人の許に走って行く」
「ええ?!!!」
「という事件があったということに『II世』でなりました。こんなシーン元々どこにもなかった。」
「『キン肉マン』のお話の構造はこうでしたね。さっきのサンシャインとアシュラマンは実はサブストーリーだからこの構図には乗らなかったけど。」
「じゃあ、この話を『キン肉マンII世』でできるのか?というと……キン肉マンが文字通り”父”になってしまった。」
「あーーー!」「なるほど」
「キン肉マンを倒す話はどうしても読者の反感を買ってしまう。”父”を打倒する物語を作ることはもう難しい、というのが『II世』のそもそもの問題点でした。」
「で、どういう物語構造になったかというと。①当然悪い超人がやってきます、②正義超人が応戦します。そこで、③悪い超人が”父”に虐待されてきたせいでひん曲がってしまったことが明らかになります。」
「どうなるかというと、④それとこれとは話が違うのでII世が悪い超人を倒す。」
(笑)
「なんやねん」
「実際のさばらせてたらアカンけど…でも倒すか!?しかも⑤悪い超人にその後の人生などない。基本バッドエンドです。」
「そんで、②のとこでいっぱい死ぬからここに友情があったことになる。あんま面白くないんですほんまに。いわゆる2世ものの先駆けになるので、結果としては成功なんだけど。」
「虐待されていた子供の例として、ヒカルドという悪行超人から正義超人に預けられて育った子がいます。」
「でも赤ちゃんの頃すぎて本人は全然知らんから、正義超人として生きたいと願うんですけど、」
「一皮剥がれるとこれになっちゃう。」
「さすがに見た目がワルすぎる……。しかも、悪行超人である実の親のことは知らないから関係ないって考え方は、逆に親を敬う気持ちがないと罵られ続けます。」
「誰にも理解されないまま倒されて、じゃあ俺は悪行超人として生きると決意して去って行く。」
「最悪やん!!!!」
「ヒカルドをなじってたのは正義超人たち?」
「せやで。正義超人がよってたかって、お前はワルいって言い続けた。ワルい方の姿になるとちょっと我を忘れるとこもあるし。」
「エ~~~いじめやん」
「おかしくならないようにしてあげるべきじゃん……」
「福祉よ……って思う。こういう後味の悪い話がいくつかあります。」
「敵を救いもしない、新しい価値観を提示することもしない、ただ父を敬えと言うII世がなぜ「正義」であり、「キン肉マンII世」という名前でいられるか?」
「それはハッキリしてるんですね。父親がキン肉マンだから。それしかないんです。だから親を敬えって話にもなる。」
「最初のタイトルの答え、もうわかりましたね。アシュラマンが正義超人になれないのも、父親が悪魔だったからです。」
「かなしい話やん……」「アシュラマン~~」
「キン肉マンは古くさい価値観への反抗だったけれど、それはもう新しい時代の権威になってしまいました。現実世界でも、古くさい男社会からの解放を描く『キン肉マン』を読んでいた子供たちは、もう男らしさを押しつける側に成長してしまいました。」
「じゃあ”父”を敬うことが正義とされる『II世』の世界で、悪魔はどう生きるべきなのか?ここからは『II世』におけるアシュラマンの話をしていきます。」
「正義超人となったアシュラマンは、正義超人らしく円満に結婚して、息子シバをもうけています。」
「あ~手が六本ある」
「当然、シバを正義超人に育てようとします。でもアシュラマンはそんなに良い父親じゃなくて、シバのことあんまり褒めてないんですよ。元からプライド高いからこのくらいしゃーないなってとこはあるけど。」
「そしてシバはデビュー戦を迎えますが、無事正統派のサイコパスへと成長してしまいました。」
「「「エ~~~~~~~!!!!!」」」
「デビュー戦で勝利が決まったのに、多分それでも褒められなかったから、敵にとどめを刺すために追撃する。そこからはじまって、虫を解体したり、めっちゃ鳥を殺したり。」
「ヤバ!!!!」「それはかなり正統派」
「最終的には母親を殺めてしまうことになります。」「ヤバい……」
「でもシバは母を殺したのは虫解体という趣味を否定されたからだし、父が悪魔だから僕はこうなったんですよ、と正当化を続けます。アシュラマン、妻は死ぬし息子はめちゃくちゃなこと言ってるしで超パニック。」
「結局、罰として自分が息子を殺すことを決断します。」
「あーー……」
「一人になったアシュラマンは、はじめからシバを悪魔として育てていれば、彼の特性を伸ばして育てていけたんじゃないかと考えます。自分が正義らしさを押しつけたことでシバを苦しめたのではないかと。」
「正義への憎しみを取り戻したアシュラマンは、誰よりも悪魔らしい超人となり、正義を倒すことをシバと妻への贖罪として生きようと誓います。」
「ですが、彼はすでにかなり年老いてしまっていた。そんなとき、かつての”父”であった悪魔将軍の残留思念みたいなやつと出会うのです。」
「で、REBORNするんですね。悪魔将軍の復活を助ける代わりに、肉体を全盛期以上にまで若返らせてもらいます。これは彼にとって正義超人を倒すためのパワーアップであると同時に、中年の危機からの救済にもなりました。」
「そして、”父”である悪魔将軍を得たことによる、ある種の”退行”をも表しているのだと思います。」
「サンシャインとも再会するんですが、誰よりも悪魔らしくあるという誓いを立てているので、友情を認めた過去を捨て、かつての親友を拒絶します。」
「サンシャインもあのタッグトーナメント以前はこんな感じやったな~と懐かしみつつ、自分の足切ったり、顔崩したり、やたらと自暴自棄なプレーが目立つことに戸惑いをみせます。」
「なんやかんやでII世との一騎打ち。II世のセコンドには父がつき、対するアシュラマンはたった一人で正義との戦いに臨みます。」
「結果は当然II世の勝利。しかも父や先祖の教えに従って勝つってのがまた嫌ですね。」
「それでも復活の儀式を強行する悪魔将軍ですが、アシュラマンは”父”に反抗して、むりやりそれを中断させるのです。」
「悪魔将軍は、お前が二度も悪魔を裏切ることはないだろう、反抗は戯れなんだろう?と謝罪の機会を与えてくれます。すげえモラハラっぽいな。」
「モラハラは謝罪の機会をくれがち」
(一同笑)
「でもアシュラマンは反抗を続ける。わたしは悪魔道精神を持っているが、あなたの信じる悪魔道と、自分の信じる悪魔道とは違う!と宣言します。」
「うぉお~~~!!」
「がんばれアシュラマン!!!!」
「ガールズ&パンツァーじゃん」
「”正しい”生き方になじめなかったので、正義の押しつけへの憎しみもあるけど、かといって悪魔将軍という”父”に従うのもまた自分の意思ではないなと。」
「結局悪魔将軍は消滅して、アシュラマンは元の老体に戻ります。」
「そこで肩を貸してくれたのがやっぱりサンシャイン。」
「悪魔にも友情はあるんだぜ……!!!??」
「老いてますます正義超人打倒の夢が心の中で大きくなってくるアシュラマン。サンシャインもおまえが声をかけてくれればいつだって協力するぜ、と返すんです。」
「今じゃなくても、ずっと前からそう思ってたんですね。」
「というわけで『キン肉マンII世』、これで終わります。」
「「エエッ?!!!」」「二人の物語やん」
「友情によって中年の危機は乗り越えられるし、”父”に従わずに友と寄り添って生きるという選択肢もあるということを提示する終わり方をします。」
「さらにいろんなことを肯定してくれている。正しく生きられなかった、それだけじゃなく正しさを憎むことになってしまったアシュラマンを肯定してくれたし、年を取ることも、次の世代へバトンを渡さず自分たちで倒す、という人生も肯定している。」
「バトンは自分で握りつぶしてた……」
「『キン肉マン』は“父”を倒す物語だったけど、キン肉マンが”父”になってしまったので、”父”を絶対的に正しいものとして描かないと物語の根本が作れなくなった。」
「なので、II世が主人公だと銘打っておきながら、”子”の視点に立った物語を構築できない。だけじゃなく、”父”の属性ですべてが決まる世界になってしまいました。」
「一度は”父”となったキャラクターを”子”に退行させたことで、やっと“父”への反抗と友情を描いた結果、次の世代へバトンを渡さない物語として終わっていきました。ここに来てやっと面白くなった。」
「現在『キン肉マン』はふたたび連載を再開していますが、作中は『II世』よりも前の1989年くらいの設定で、時系列をかなり戻しているんです。」
「そしたら『II世』設定が完全に消えた。アシュラマンは正義超人にならない。」
♡Happy♡
(一同爆笑)
「歴史改変!ヤッターーー!!!」
「不幸は起きなかったんや!!!!」
「サンシャインは精神が安定して、すごいバカなのですごい勝ちます。アシュラマンは相変わらずのメンタルですが、大人気キャラなので死にません。」
「友情に気づいてからズッ友のままって設定なの??」
「うん」
「ズッ友じゃん……」「ドン引きだよ」
「もしかしてサンシャインが何回も時間ループしてるんじゃ?」
「アシュラマンと一緒に正義超人を倒せるその日まで?!」
「アシュラ☆マギガ」「おっさんずラブだ」
「『II世』は失敗ループなんだな……」
質疑応答タイム
ーーアシュラマンが”友情”ってのは正義としか結びつかないと思ってたことが過ち?
「そうです。この二人の間にあるものが友情だとあんまり認識できてなかった。」
「正義か悪かという二項対立に囚われたのがミスなんだな」
「サンシャインはバカだからそういうとこは気にしなかった。」
「ズッ友~~~」
「でも今やってる連載はわりと正義とは?悪魔とは?みたいな設定を掘り下げようという気概を感じますね。」
★勝手に講評★
めちゃくちゃ面白かった。アシュラマン、魔界のプリンスのくせに人間味ありすぎるやろ。
みんな魔界のプリンスが大好きになって、翌日すぐに会いに行きました。
悪魔超人のエリートだ!!!!!!!
その⑥につづく